地震や豪雨などの大きな天災が、近年相次いで発生しています。
甚大な被害を受ける様子を見ると、自分たちの住む自治体はどのような防災対策を行っているのか気になりますね。
そこで今回は、守口市にお住まいの方、これからお住まいを検討している方に向けて、過去の災害対応や現在の防災対策を紹介していきます。

守口市が過去に行った災害対応は？

まずは、守口市が過去に実際に行った災害対応を見てみましょう。

大阪市北部地震発生時の守口市の対応

大阪市北部地震は、2018年6月18日に大阪府北部を震源として発生したマグニチュード6.1、最大震度6弱を記録した大地震です。
守口市では発生当時、震度5弱の揺れを記録しています。
地震による負傷者7名、家屋は全壊・半壊はなかったものの、屋根瓦の落下や外壁の破損などの被害が195棟で確認されています。
守口市では、地震発生後から市内31カ所に避難所を開設し、計116名の市民が避難しました。
その後被災された市民に対応するための相談窓口を設置し、罹災証明書の発行を迅速に行っています。
7月1日に警戒本部を解除するまで、市内の危険箇所の発見と応急処置、市内の小中学校をはじめとする公共施設の被害状況把握と安全確認などを行いました。

台風21号発生時の守口市の対応

台風21号は、2018年（平成30年）に発生した大型台風で、9月4日に近畿地方を襲い、過去の台風と比較しても甚大な被害を与えました。
守口市でも強風による被害が多数報告されています。
市では屋根に被害が出た家屋に対して、雨漏りを防ぐためにブルーシートの貸し出しを行い、必要に応じて罹災証明書の発行を実施しました。

守口市の災害に備える防災対策の現状は？

守口市では過去に災害が起こった際には、迅速で適切な対応をしてきたことが分かりました。
ここからは、守口市が現在どのように災害に備えるための防災対策を施しているのかを詳しく紹介していきます。

「守口市地域防災計画」の策定

守口市では、災害時に市民の生命や身体、そして財産を保護すること、災害被害をできるだけ軽減することを目的に、「守口市地域防災計画」を策定しました。
たとえば南海トラフ巨大地震が発生したと仮定しての被害予想を行い、ライフラインにどの程度影響を受け、どのくらいの期間で解消するかを検証しています。
そのほか、淀川が氾濫したときにどのような被害が起こるのかなどを細かく予測しました。
あらかじめ予測を立てておくことで、想定される被害に対してどの部署が、どのような対応を取るのかを400ページにわたり細かくまとめています。

防災協力農地の確保

守口市では、災害が発生したときに、市民の安全確保と災害復旧活動を円滑に進めるために、「防災協力農地」の確保も進めています。
現在協力農地は35カ所におよび、災害時には避難空間、復旧用資機材置き場、支援物資などの集積所、応急仮設住宅建設用地などに活用される予定です。

守口市同報系防災行政無線（防災無線）の運用開始

守口市では、防災無線の設置を完了し、災害時の非常事態、人命などの緊急事態に備えています。
全国瞬時警報システムJ-ALART（ジェイ・アラート）とも接続し、休日や夜間でも緊急地震速報などの緊急情報を発信できるようになりました。
これにより、災害で電力や通信インフラがダメージを受けてテレビや携帯電話が使えなくなったときでも、市民に確実に情報が伝達されます。

浸水被害への備え

守口市では、近年相次ぐ豪雨などによる災害被害への備えも進めています。
ハード面では、雨水を貯留する調整池を3カ所に設置し、より多くの雨量に対応できるよう、下水道の増補幹線の整備を進めています。
ソフト面においては、防災行動を時系列で整理した計画「寝屋川流域大規模水害タイムライン」を策定しました。
これは台風などによって災害の発生が予想される場合に、先を見越した的確な防災対応ができるよう、あらかじめ計画を立てたものです。
そのほか堤防が決壊しての外水氾濫をできるだけ防ぐため、河川が危険水位に達すると、ポンプ運転調整を行うとしています。
ポンプ運転調整とは、通常市街地に降った雨水はポンプを使って河川に放流しているものを、河川の水位が上昇したときには放水量を半分にまで減らすことです。
これにより市街地の雨水は残ってしまいますが、大規模な河川氾濫は効果的に防げるのです。

「こども安全・安心マップ」を作成

守口市では、子どもたちが自ら危険を事前に察知し、災害発生したときにどう行動すればいいかを考えさせる取り組みも行っています。
「こども安全・安心マップ」は、自分が住むエリアの危険な場所と安全な場所を調べて書き込むマップです。
家の周りや通学路などを実際に歩いて観察し、人通りが少ない道や気が多くて暗い公園など危険箇所を調べます。
また、いざというときに駆け込める、子ども110番の家や防犯連絡所、お店やコンビニなどの場所を地図に書き込んでいきます。
身の回りのどんなところが危険なのか、実際に危ない目にあったときにどう行動すればいいのかなどの分かりやすい記事も用意されているので、家庭で活用するといいでしょう。

守口市に住むなら災害に備えてハザードマップをチェックしよう

守口市では、災害に備えるためのハザードマップも用意し、市のホームページで公開しています。
守口市に住むのであれば、ぜひチェックしておきましょう。

ハザードマップとは

ハザードマップとは、自然災害が発生したときの被害を予測して、被害が及ぶ範囲を地図化したものです。
地域ごとの土地の成り立ちや、地形や地盤の特徴、過去の災害の様子といった、防災情報をもとに作成されます。
守口市では2019年（令和元年）にハザードマップを全面改定しました。
これにより、淀川や寝屋川水系の最新の被害想定や、今後20～30年以内に70～80%の確率で発生するとされている南海トラフ地震を反映した内容になっています。

地震ハザードマップ

地震ハザードマップは、南海トラフ巨大地震が最大規模で発生した際に起こると予測される被害をもとに作成されています。
ハザードマップによると、守口市では南海トラフ巨大地震においては最大震度6弱を予想し、対する備えを解説しています。

風水害ハザードマップ

風水害ハザードマップでは、淀川洪水が発生した際の浸水想定区域図、寝屋川流域洪水リスク表示図を公表しています。
淀川洪水が発生した場合、浸水深が50cmに達してから、50cmを下回るまでの時間を示した浸水継続時間図もあわせて公表しました。
ほか、近年問題となる豪雨による市街地の内水氾濫による被害予報のハザードマップもあります。
河川から遠いエリアに住む場合も、チェックしておくことをおすすめします。

避難所一覧

守口市のハザードマップには、市内の避難所一覧も掲載されています。
2019年（平成31年）4月時点で、守口市内には学校施設などを含む33の避難所と、公園など16カ所の一時避難所・広域避難所があります。
家族の安心を確保するためにも、お住まいになられるエリアの最寄りの避難所を調べておくようにしましょうね。

まとめ

守口市で過去に行われた災害対応や、現在どのような防災対策が取られているのかなどを紹介してきました。
守口市では、防災計画の策定、ハザードマップの更新など、防災に対してはかなり力を入れている印象です。
災害は、いつどのように発生するかは予想がつきません。
現在守口市にお住まいの方、またこれから住むことを検討している方は、ハザードマップを確認し、災害被害に備えておくようにしましょう。