「賃貸に住むならインターネットが使える部屋にしよう」と考える人が多くなりました。
しかし実際に部屋を探してみると、インターネット「対応」と「完備」と2種類あることに気がつきます。
どちらもネット環境はあることはわかりますが、違いはあるのでしょうか？
今回は、賃貸におけるインターネット「対応」と「完備」の概要を解説し、どっちを選べばいいのか、選び方のポイントも紹介します。

賃貸におけるインターネット「対応」物件の概要

それではまず、インターネット「対応」の賃貸物件の概要を紹介していきます。

インターネット「対応」とは？

賃貸で「インターネット対応」とされているときは、物件の共用スペースまで回線が来ていることを意味します。
つまり、「インターネットを使おうと思えばすぐに対応できるようになっている」状態にあることです。
しかし、「すぐ対応できる」だけであり、「すぐに使える」わけではありません。
実際にネットに繋ぐためには、まずは費用を負担して自室へ回線を引く工事をすることになります。
プロバイダーへの申し込みも必要になることから、実際にインターネットに繋がり利用できるようになるまでには手間と時間、そしてコストがかかります。

「光ファイバー対応」の物件もある

「インターネット対応」の代わりに、「光ファイバー対応」となっているケースもあります。
こちらもインターネット対応と同様に、共用スペースまでは光回線が引き込まれているので、あとは自室までの回線工事とプロバイダーの申し込みをすれば使えるようになります。

インターネット「対応」物件の注意点

賃貸がインターネット「対応」となっているときには、マンションやアパートにはすでに契約している回線があります。
そのためもし何らかの理由で自分が契約したい回線が決まっている場合は、個別に契約をして回線を引かなければなりません。
プロバイダーについても、マンションが契約している回線に対応したプロバイダのなかから選ぶ必要があります。
今使っているプロバイダーが含まれていれば、同じメールアドレスを使い続けられますが、もしなければ変更しなければならない可能性もあるでしょう。

賃貸におけるインターネット「完備」物件の概要

続けて賃貸におけるインターネット「完備」物件とはどのようなものなのか、概要を確認しましょう。

インターネット「完備」とは？

賃貸で「インターネット完備」とされているときには、共用部分からさらに居室まで回線の引き込みがすんでいる状態をいいます。
プロバイダーとの契約もされているので、インターネット対応物件と異なり、自分で工事を申し込んだりプロバイダーを探したりする必要がありません。
プロバイダー料金の負担などもないため、月々のランニングコストもかからないのが一般的です。

インターネット「完備」物件の注意点

インターネット完備物件では、すでにプロバイダーまで決まっているため、自由にプロバイダーを選ぶことはできません。
今まで使っていたプロバイダーと異なる場合には、同じメールアドレスは使えなくなってしまいます。

賃貸のインターネット「対応」と「完備」はどっちを選ぶ？

賃貸のインターネット「対応」と「完備」の違いを確認してきましたが、どっちを選べばいいのか、決め手がわからない方もいるのではないでしょうか。
どっちを選ぶといいのかを検討するときには、それぞれのメリットデメリットから考えるのがおすすめです。
ここからは、インターネット「対応」と「完備」それぞれのメリットデメリットを紹介します。

インターネット「対応」物件のメリットデメリット

賃貸のインターネット対応物件は、完備物件と異なり部屋まで回線が引かれていないので、自分で工事やプロバイダーの手続きをする手間暇が必要なことがデメリットです。
入居と同時にその日からインターネットが使える！と考えていた場合、ガッカリするかもしれません。
しかし、インターネット対応物件は、プロバイダーを自分で選べることは、人によってはメリットになります。
たとえば、長年使ってきたプロバイダーのメールアドレスを使えなくなったら仕事に支障が出るようなケースでは、プロバイダーが選べない「完備」物件では致命傷になりかねません。
その点インターネット対応物件なら、複数のプロバイダーから契約するところを自分で選べるので、同じメールアドレスを使い続けられる可能性が高いでしょう。
また当然ですが、自宅でインターネットは使わないといった人なら、インターネットが完備されている必要はありません。
一般的に、インターネット完備物件は家賃が高い傾向にあるので、使用しないのであればインターネット対応物件のほうが、家賃を安く抑えられます。

インターネット「完備」物件のメリットデメリット

インターネット完備物件は、居室まで回線が引かれているうえ、プロバイダーとの契約も完了しているので、入居したその日からネットにつながることがメリットです。
賃貸物件によっては、Wi-Fiルーターが設置されているケースもあり、無線接続ができることも珍しくなくなりました。
引き込み工事やプロバイダーの契約・乗り換えに手間や費用をかけたくない人には、インターネット完備物件が向いています。
しかし、インターネット完備物件は、一見なんのコストもかからないように見えますが、プロバイダー料金などは家賃に上乗せされていることがあります。
実際インターネット完備物件はほかの集合住宅よりも、家賃が高めに設定されているケースが多いことが特徴です。
「インターネットは完備されているので無料で使えます」とされていても、必ずしも安くなっているとは言い切れないことに注意しましょう。
また、初めからプロバイダーが決まっているので、これまで使っていたプロバイダーと違うときには、同じメールアドレスを使用できなくなります。
仕事やプライベートで長く使用していたケースでは、メールアドレスの変更のお知らせなどが必要になってしまうでしょう。
なお、インターネット完備物件は、建物全体でプロバイダーと一括契約を結んでいて、全住民が回線を共有しています。
そのためインターネットのアクセスが集中すると、繋がりにくくなったり速度が落ちたりすることがあります。
通信環境を重視するのであれば、インターネット対応物件を選ぶほうが無難です。

インターネット対応と完備のどっちがいいかはケースバイケース

インターネット対応と完備のどっちがいいかは、人によって異なることからケースバイケースです。
手間ヒマかけることなく入居当日からインターネットが使いたいなら、「完備」となった賃貸がおすすめです。
ただし、家賃が高くなるケースが多いこと、通信環境に過度の期待はできないことは、頭に入れておきましょう。
メールアドレスを変えられない、少しでもいい通信環境を確保したい事情があるなら、「対応」とされた物件がいいでしょう。
ご自身の事情から、メリットデメリットを比較して、どっちがいいか判断するようにしてくださいね。

まとめ

インターネット「対応」と「完備」は、どっちもインターネットが使えることに違いはありませんが、それぞれ内容は異なります。
回線が部屋まで引かれているか、プロバイダーが選べるか、回線速度は確保できるのかなど、人によって重視するポイントは違うでしょう。
メリットデメリットを比較して、どっちがいいか選ぶようにしてくださいね。