「温水洗浄便座」は、使う習慣のある人にとって、賃貸住宅でも、ほしい設備のひとつに挙げられるのではないでしょうか。
温水洗浄便座を備えた物件も多くみられますが、すべての賃貸住宅が設置をしているわけではありません。
今回は、温水洗浄便座について、賃貸住宅でも後付けが可能か、また後付けに必要な環境や費用について解説します。
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賃貸に「温水洗浄便座」の後付けはできる？
一般家庭でも広く浸透した「温水洗浄便座」。
もし、気に入った賃貸住宅に温水洗浄便座がなかった場合、後付けは可能なのでしょうか？
結論からお伝えすると、「後付けは可能」です。
気に入った賃貸住宅も、設備が足りないとあきらめる必要はありませんよ。
しかし、後付けには注意しておきたい点があります。
後付けする前に、必ず「大家さんや管理会社に相談」することです。
というのも、賃貸住宅の設備であるトイレも、大家さんが所有するものだからです。
賃貸住宅の設備を変えたいときには、大家さんや管理会社に相談をしなかったり、隠れて取り付けたりするのは、後々トラブルになることを避けるためにもNGといえます。
自分で負担するなら設置OKかも確認
まずは、賃貸住宅の管理会社を通じて、温水洗浄便座の設置を大家さんに要望してみましょう。
なかには、温水洗浄便座の設置によって、満足度があがり、入居が決まるならと設置を検討してくれるケースもあります。
そうでない場合も、自費なら後付け可能とするケースが多いですよ。
温水洗浄便座が設備として必要な場合は、遠慮せず、一度相談してみましょう。
費用面を理由に断られた場合には、管理会社を通じて「後付けや取り外しは自費でおこなうこと」や「便座はもとにもどして退去する」ことなどを伝えてもらうのも手です。
後付け可能の許可を出してもらえたら、できれば書面でもらっておくと、より安心ですね。
また、自分で後付けした場合には、使っていて故障したときの修理代も自費になります。
賃貸住宅を退去する際に、温水洗浄便座を置いていくことを条件に、大家さん側が設備として設置してくれる場合もありますよ。
このケースでは、賃貸住宅の設備という扱いになるので、修理も大家さん側での負担となります。
取付けや退去時に気をつけたいこと
賃貸住宅に温水洗浄便座を後付けする許可を得たら、早く取り付けたいところですが、気をつけておきたい点も把握しておきましょう。
温水洗浄便座の設置には、専門業者に依頼することも、自分で取付けをおこなうことも、どちらも可能です。
自分で取付ける場合には、取付けの説明書や付属のDVDを確認しながらおこなうことになります。
インターネットでも手順を検索することができます。
とはいえ、ほとんどの人が温水洗浄便座の設置ははじめてとなるでしょう。
部品の設置を間違うなどして水漏れが起きる可能性や、トイレの壁や便器に取付けときの跡が残り、退去時に費用が必要になる場合もあり得ます。
より安心して設置し、安全に使うためには業者に依頼するのがおすすめです。
また、賃貸住宅の退去時には「原状回復の義務」があります。
温水洗浄便座を後付けしたときも、基本的には、元のトイレの状態に戻します。
そのため温水洗浄便座を付ける前の便座や、便座に使っていたボルトなどもすべて、保管しておきましょう。
賃貸で温水洗浄便座を後付けするために必要な環境
賃貸住宅に設置するためには、事前にトイレ内の環境について、確認をしておくことが大切です。
「電源」と「アース」の確認
賃貸住宅のトイレが、温水洗浄便座の後付けが可能な環境かを知るには、まず電源となるコンセントとアースがあることを確認しましょう。
温水洗浄便座は電化製品ですから、作動させるためには、コンセントとアースは必須の条件ともいえます。
トイレの環境に、コンセントがない場合には、2つの方法が検討できます。
ひとつは、トイレ環境にコンセントの増設をおこなうパターンです。
新しく設けるには、電気工事をおこない、壁紙を張り替えたり、天井に穴をあけたりする場合もあります。
そのため、新設するときも、賃貸住宅の大家さんや管理会社に許可を忘れずに得ることが必要です。
もうひとつの方法は、電気を使わない洗浄便座を選ぶというパターンです。
とくに、トイレとあわせて、浴室と洗面台が一緒になった「3点ユニット」の場合には、温水洗浄便座の利用自体、難しくなります。
浴室や洗面台が一緒になったユニットバスの環境では、水滴や湿気によって、感電や故障のリスクが高いためです。
気に入った賃貸住宅で、洗浄機能を使いたい場合には、ホテルなどでも利用される電源不要のタイプを選ぶとよいでしょう。
電気を使わないので、温水にならないなどの点もありますが、安全に利用できますね。
広さと便器の選び方
取付ける際には、トイレの広さとタンクの種類や便器のサイズの関係を確認しておくことも大切です。
トイレのタンクについては、次の3つのタイプに取付けができます。
背面にタンクがある一般洋式便器のタイプ、コンパクトなロータンクがついたワンピース型の便器、トイレの奥の壁に三角形のタンクがついた隅付きタンク式のタイプです。
背面タンクのついた一般洋式便器とワンピース型の便座の場合は、作動させるためのトイレの環境として、次に挙げる広さが目安です。
便器の中央から左の壁まで、省スペースなタイプでも249ミリ以上、便器の中央から左の壁まで224ミリ以上。
便器の先端から、正面の壁やドアまでの距離も300ミリ以上。
これらは目安で、機種により必要な距離や広さは変わるので確認しましょう。
隅付きタンクの場合には、さらにタンク下の寸法などの確認も必要です。
また便器のサイズは、通常サイズのレギュラーと、大型のエロンゲートに大別できます。
近年の温水洗浄便座は、どちらにも取付けできるものが多いですが、便器がエロンゲートのサイズだった場合、便座よりも便器のほうが大きくはみ出る場合もあります。
便座購入から工事までの「相場」とは？賃貸に温水洗浄便座を後付けする費用
温水洗浄便座の費用相場とは？
賃貸住宅に後付けするときの費用には、「便座の購入代金」と「便座の取付け工事代」がかかってきます。
便座本体の価格には、商品によってかなり価格差があります。
リーズナブルなものであれば1万円からありますが、高価格帯には10万円台、さらに20万円、30万円するような商品もあります。
本体の費用があがるにつれ、商品のグレードもあがり、機能性も多岐にわたってきます。
経済的な節電機能や脱臭の機能、お手入れがラクになる自動洗浄機能などがついたものも見られます。
平均すると、3万円台から5万円台が相場といえそうです。
ほかにも、耐久性の高さや、リモコン付き、ノズルがステンレス製で汚れにくいタイプなどの違いもあるので、予算と相談しながら検討しましょう。
業者に取付けを依頼したときの工事費用は、1万円から2万円ほどが相場です。
「貯湯式」と「瞬間式」による違い
温水洗浄便座には「貯湯式」と「瞬間式」というタイプの違いもあります。
「貯湯式」とは、電気ポットのように常にタンク内でお湯を保温して、洗浄時に使うものです。
本体価格が比較的安価で、1万円ほどからあるのが魅力ですが、保温するために電気代が割高であることや湯切れをおこす可能性もあります。
一方「瞬間式」は、ヒーターが内蔵されたパイプを通った水が温められて、お湯で出るものです。
毎月の電気代も経済的で、機能も充実していますが、本体価格は高めで2万5000円くらいからとなります。
まとめ
賃貸住宅に温水洗浄便座を後付けしたい場合は、管理会社に許可を取ると同時に、「現状の便器のタイプ」にくわえ、広さや電源などの有無なども確認しておくと効率的です。
本体価格も機能もさまざまですから、後付けの際は、自分にあったものを検討しましょう。
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